CINEMA CAF-CONS#90
『面打 men-uchi』
◎史上最年少で文部科学大臣奨励賞を受賞した若き天才能面師・新井達矢。
能面に魂を刻む。
今回のシネマカフコンスは、22歳の若手面打、新井達矢が能楽師・中所宜夫から依頼され、
一つの能面を製作し、その面が能楽公演に使用されるまでをとらえたドキュメンタリー映画
『面打/men-uchi 』を上映。ナレーションやインタビュー等、言葉による説明を一切排し、
ひとつの四角い木の塊が削られ、剥がされ、次第に表情を帯びていく様をひたすら見つめ続
けます。そして沈黙の作業空間に、ただ鋭利な刃物が木を刻んでいく音だけが静かに響きわた
ります。その音は、不思議と身体に心地よいリズムを刻みます。
見る者までもがひきこまれる、深遠な時の流れをぜひ体験してみてください。
三宅流監督公式ホームページ(※予告編もご覧になれます)
http://www.nagaru-miyake.com/
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<上映予定店舗>※他上映店舗が決定次第更新します。
●箱崎:ギャラリー&カフェ キューブリック(ブックス・キューブリック箱崎店2F)
9/30(水)20:00start
料金¥1,500(1ドリンク付)要予約
□ギャラリー&カフェ キューブリック tel.092.645.0630
福岡市東区箱崎1丁目5-14ベルニード箱崎2F
http://www.bookskubrick.jp/
■プロフィール
●新井達矢:面打。7歳より面を彫り始める。故・長沢氏春氏に師事。国民文化祭ふくい2005「新作能面公募展」において最高賞「文部科学大臣奨励賞」を受賞。
●三宅流:映画監督。作品『蝕旋律』がイメージフォーラムフェスティバル、キリンアートアワードにて受賞した他、過去の作品はモントリオール国際映画祭など海外十数国で上映されている。
●中所宣夫:観世流能楽師。観世九皐会、名古屋九皐会、緑泉会にて活動。古典のみならず、宮沢賢治原作に基づく新作能「光の素足」を創作するなど意欲的な活動を続けている。
「… あるのはただ、孜々として木に向かい、営々としてその木から能面を彫りだす・・・いや、木の中から能の面を掘り出す匠の姿である。坦々と過ぎていく時の流れと、一歩一歩完成に近づいていく、信じ難いほどの集中、それがこういう黙然とした描きかたのなかに、みごとに凝固しているのであった。事実を以て語らしむ、そういうドキュメンタリー映画の王道がここには見て取れる。
…長い時間をかけた、根気強い面打ちの仕事と、それを写し取った根気強い映画人の仕事の、その斬り結びのみごとさに、私はつくづくと感心したのである…」
―林望(作家・書誌学者)『面打』DVD解説より
・DVD発売情報
『面打 men-uchi』 定価 ¥3990 (税込み) 好評発売中
監督:三宅流 | 整音:種子田郷 | 出演:新井達矢(面打)、中所宜夫(観世流能楽師)、津村禮次郎(観世流能楽師)
2006年/本編60分+特典(面打・新井達矢氏へのインタビュー映像/行程解説など)
全国のカルチャースクールに能面教室が次々オープンし、面打のハウツー本が相次いで出版されるなど、中高年男性の間で静かなブームを巻き起こしている能面作り。知れば知るほどに奥が深く、無心に木を掘ることによって、心が落ち着き、癒しの効果もあると言われる面打の世界。
そんな能面作りを趣味としている人にとっては、格好の教科書とも言える珠玉のDVDが登場。
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