69ners FILM website

『ユーリー・ノルシュテイン作品集』3月上映

Tell me more!!#55〜ロシアアニメの巨匠編〜
『ユーリー・ノルシュテイン作品集』

今回のTell me more!!は、ロシアだけでなく、世界最高のアニメ作家『ユーリー・ノルシュテイン作品集』から5作品を上映!!たったひとつのキャラクターに何十ものパーツを用意する気の遠くなるような 切り紙(カット・アウト)手法。 こまやかに、あたたかに、ハリネズミや狼の子の体温まで感じさせ、見る人を日暮れの霧で包み込み、過ぎし日への追憶や 胸の痛みに誘い出す。これはアニメを超えた、詩人の領域!!

<上映予定会場>
○広島:プラス シー(広島市安佐北区可部3-32-16.TEL082-812-0288)
 3/24(金)25日(土)両日19:00オープン19:30スタート
 \1.500(ワンドリンク+プチデザート付)

<上映作品>

■ 狐と兎 1973年12分
小さな我が家を牝狐に乗っ取られた兎が泣いている。追い出してやるよ、と乗り出した狼、熊、牡牛も狐にかなわずギブアップ。最後にやってきたオンドリは...。ノルシュテインが初めて一人で演出した作品。
第七回全ソ連映画祭 最優秀賞(バク−/1974)第二回ザグレブ国際映画祭児童映画祭最優秀賞、表現手法に対してサラエボ銀行メダル(ユーゴスラヴィア/1974)

■あおさぎと鶴 1974年12分
野原の古い屋敷跡にお互いが好きなあおさぎと鶴が住んでいる。燃え上がるでも命がけでもない、それでもお互いしかない恋人たちにいつしか秋の雨がふりそそぐ。ちょっと淡く切ない作品。
第八回全ソ連映画祭 制作集団第一位「サユーズムリトフィルム」(1975)
第十回アヌシー国際映画祭 審査員特別賞(フランス/1975)
ニューヨーク国際映画祭 最優秀賞“金のプラクシノスコープ”(アメリカ/1975)
テヘラン国際青少年映画祭 最優秀賞(イラン/1975)
タンペレ国際映画祭“勝利の栄冠”賞(フィンランド/1976)
第十四回パナマ国際映画祭 グランプリ(1976)
メルボルン国際映画祭 最優秀賞(オーストラリア/1976)
オーデン国際映画祭 最優秀賞“錫の兵隊黄金像”賞(デンマーク/1977)

■ 霧につつまれたハリネズミ 1975年12分
小さなハリネズミがハンカチにつつんだジャムの壷をかかえ、仲良しのコグマの家へ向かう。その途中、野原の霧の中で 道に迷ったハリネズミがさまざまな不思議に出会う...。いつしか観客もハリネズミと一緒に霧につつまれたような不思議な気持ちになる、一度見たら忘れられない作品。
第九回全ソ連映画祭 最優秀賞(フルンゼ/1976)
第十回テヘラン国際青少年映画祭 最優秀賞と金の大メダル(イラン/1977)
ロンドン・フェスティバル“年間最優秀映画”賞(イギリス/1977)
シドニー国際映画祭“銀のブーメラン”賞(オーストラリア/1978)
ヒホン優秀短編児童映画賞 (スペイン/1977)
シカゴ国際映画祭 第三位“ブロンズヒュ−ゴ”賞(アメリカ/1978)
エシリニオ国際映画祭 最優秀賞(ポルトガル/1978)

■ 話 の 話 1979年29分
つぶやくような子守歌。それに呼び出された狼の子。狼の子はおぼえている。廃屋に大勢の人が平和に住んでいた時代、街灯の下で男女がタンゴを踊った時代、男たちが戦場に奪い去られた時代・・。忘れ去られた時をこのアニメは詩として歌う。幻想的であり強烈なリアリティ。世界アニメ史上に残る名作。
第十三回全ソ連映画祭 最優秀賞(ドウシャンペ/1980)
リラ国際映画祭 最優秀賞、国際批評家連盟賞、ノルド賞(フランス/1980)
オーバーハウゼン国際映画祭 国際映画クラブ連盟賞(西ドイツ/1980)
カトリック批評家賞(1980)
第五回ザグレブ国際映画祭 最優秀賞(ユーゴスラヴィア/1980)
オタワ国際映画祭 最優秀賞(カナダ/1980)
第二回モスクワ国際青少年映画祭 最優秀アニメーション賞、観客審査員賞(1980)
ロサンジェルスにおいて行われた映画芸術アカデミーがハリウッドASIFAと共催した国際アンケートで『話の話』が“歴史上世界最高のアニメーション映画”として認められた。(アメリカ/1984)

■愛しの青いワニ 1966年9分
花が大好きな醜いワニ。やはり花が好きな美しい牝牛。ふたりは花畑で出会い、恋に落ちる。しかしふたりの道ならぬ恋は周囲の冷たい視線を浴び、花も葉っぱも枯れて散る秋、ワニは牝牛にふられてしまう。監督デビュー前のノルシュテインがアニメーターとして参加している。

<ロシアアニメのはじまり>
ロシアアニメのはじまりは20世紀の初め、帝政時代から。昆虫のリアルな人形アニメの作者スタレーヴィチがパイオニアでした。1917年、革命でロシアが〈ソビエト連邦〉となる頃から前衛的な芸術運動が起こり、大発展途上の映画で社会主義のPRを、と実験が始まった アニメーションも大発展。映画大学ができ、アニメを目指す人材が育ち、1936年には連邦動画スタジオ設立。子どもたちのために、と意欲的な作品が続々と登場します。しかし本当に〈ソ連〉のアニメが世界の人々を驚かせ感動させたのは第二次 大戦が終わった直後のカラー長編『イワンのこうま(旧題せむしの仔馬)』(1947)でした。
長い間ディズニー一色だったアニメ史が塗り替えられた瞬間です。それ以来、約10年周期で変貌し、新しい人材が新しい境地を開拓し、最盛期には年間120本ものアニメが製作されました。今、〈ソ連〉はふたたびロシアに。多くの苦難を超えての新世代アニメが待たれます。

ぜひぜひ遊びに来てください!!

現在上映中/上映予定作品
[戻る]

メールマガジン配信中

お名前 / メールアドレス