Tell me more!!#49〜チェコアニメ幻想編!大人の絵本〜
『カレル・ゼマン短編集』
今回のTell me more!!は、幻想の魔術師カレル・ゼマンの短編作品を特集上映!!
レトロなデザインの切り紙アニメに人形アニメ、実写とアニメの合成と多彩なテクニックを駆使して生み出す、幻想空間。カレル・ゼマンが生み出した数々の愛すべきキャラクター、心に留める美しいシーン、詩情とロマン溢れる、不思議で奇想天外な物語!!玉手箱のようなファンタジー・ワールドをお楽しみ下さい!!
上映予定会場
○田川:hako
8/5(金)
時間料金会場へお問い合わせください。
○福岡:CAFESONES
8/9(火)20:00/22:00
料金\1.000(要1ドリンクorデザート)
○北九州:cream
8/7(日)19:00/21:30
料金¥1.500(1ドリンク付き)
料金¥2.000(デザートセット+1ドリンク付き)
料金¥2.000(フード+1ドリンク付き)
○熊本:イクイップメントフロア
8/22(月)20:30
料金\1.500(1ドリンク付き)
○北九州:クラッチ
8/23(火)21:00
料金\1.500(1ドリンク付き)
○北九州:ソープ
8/31(水)20:00
料金\1.500(1ドリンク付き)
○福岡:ダーラヘストカフェ
8/14(日)15:00/17:00
料金\1.500(1ドリンク付き)
○久留米:オクターブ&アーリーバード(家具と映画とお食事と)
今回はアリーバードの家具展期間中(9/8〜18)に上映致します!!
9/17(土)19:00/21:00
料金\1.500(1ドリンク付き)
<上映予定作品>
・『ハムスター』1946年/8分/白黒
動物たちが棲んでいる庭を、洪水が襲う。皆で力を合わせて、堤防を築き始める。木材がなくな
ると、自らの家まで壊して建材を提供したり、飢えを凌ぐために各自の食べ物を平等に分担した
りして、共同作業に取り組む。ところが、ハムスターだけはそしらぬ顔で自分の財産を守るのに
必死。しかし、意地悪いハムスターは財産とともに水の底へ...。プロパガンダめいた初期の短編
作品。
・『クリスマスの夢』1945年/7分/白黒
少女は古い人形が大好きだったが、クリスマスの朝、真新しいオモチャのプレゼントに夢中にな
る。夜、投げ捨てられた古い人形は命を吹き込まれ、部屋の中をダンスしたりおどけたりと女の
子の心を取り戻そうとする。そのかいあって、再び女の子のお気に入りに。古い布製の人形によ
るゼマンのアニメ処女作。愛らしい人形と、少女を詩的なテーマを共演させ、カンヌ映画祭で絶
賛され動画部門グランプリを受賞。今回、その幻の処女作が日本初公開。
*1946年カンヌ国際映画祭・動画部門グランプリ受賞
・『プロコウク氏 映画製作の巻』1947年/8分/白黒
ちょっとおっちょこちょいだけど、憎めないプロコウク氏が映画製作に猪突猛進!自分を助けな
い人々を巧みに批判するプロコウク氏は、<広告掲示板>、<迷信>、<官僚制>、<役に立た
ない発明>などを笑いものにしていく。痛烈な皮肉で社会を風刺するサイレント喜劇ふうスラッ
プステック短編人形映画シリーズの、初期の1本。
*1948年チェコスロヴァキア映画評論家賞
・『水玉の幻想』1948年/12分/カラー
一滴の水玉の幻想世界にガラスの少女が華麗に舞い、たんぽぽの綿毛のピエロが彼女に恋をす
る。。。水玉に始り、水玉に終わる小さな恋のものがたり〜透明感とみずみずしさに溢れる、夢
のような美しさに息をのむ映像叙事詩。ボヘミアのガラス工芸を生かしたガラス細工の美しさ、
詩情溢れる短篇。幻想的ポエジーの世界を描いて、チェコ・アニメに歴史に輝く傑作。
*1949年Knokke-Le Zoute国際映画祭(ベルギー)・グランプリ受賞
*1952年ディリ国際映画祭・名誉賞
*1954年モンテビヴィデオドキュメンタリ−実験映画国際映画祭・第2位
*1958年ヨークトンドキュメンタリー映画国際映画祭(カナダ)・最優秀作品金穂賞
・『王様の耳はロバの耳』1950年/30分/カラー
王様がロバの耳を持っていることは、誰も知ってはならない秘密。ある日、王様の散髪のため
に、町の散髪師が選ばれて…。しかし、ロバの耳を持っているからといって王様の権威は損なわ
れない、と一件落着。有名な童話をベースに、散髪屋の娘をはじめ、ゼマンがとぼけたキャラク
ターを駆使してユーモラスかつ風刺たっぷりに描いた作品。社会主義の国にも処世術はある、と
いう隠し味がおもしろい。
*1950年カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭(チェコ)・動画部門グランプリ受賞
「カレル・ゼマンを知っていますか?」 おかだ えみこ
ガラスの人形を軽やかに踊らせたアニメーション作家を知っていますか?
短パン少年たちの恐竜時代へのタイムトラベルを描いた特撮監督を知っていますか?
ジュール・ヴェルヌのSF世界を大胆でユーモラスな映画にした魔術師、CGが開発されるはるか以前に独特のデザインと遊び心で、かつての空想科学小説が夢見た飛行船を、潜水艦を、特撮とアニメで大画面に活躍させた、いまだ追随者のない映像錬金術師、カレル・ゼマンを知っていますか?
カレル・ゼマンはチェコの生んだアニメーションの巨人のひとり、そして特撮の巨匠。その映画活動は第二次大戦直後から、ズリーンという地方都市で始まる。
日本に最初に紹介されたのはガラスの踊り子とピエロの悲しい恋を描いた詩的短編『水玉の幻想』と、ヴェルヌが予見した最終破壊兵器の秘密基地での特撮アドベンチャー『悪魔の発明』だった。
アニメーションは本来動いていない絵や人形が命を得たように動いて見える一種のトリック映画だから、アニメから特撮へはほんの一歩。ゼマンはアニメの方法と体験を特撮に生かし、応用し、ハリウッドのSFXとはひと味もふた味も違う、独特の味わいの映像を作り上げた。
極めて繊細な美意識と、観客がズッこける悠々たるおとぼけ精神。
せっかちな人には向いていないかも。席についたらまず肩の力を抜いて、のーんびりと、そう!スローライフでいきましょう。
『ジュラシック・パーク』の平和な恐竜公園より37年早い『前世紀探検』で、恐竜と戦わない共存世界を描いた人。
『天空の城ラピュタ』に20年先行する『盗まれた飛行船』で空想飛行メカの群れを大空に飛ばせた人。
古い人形のいじらしい努力を描いた処女作『クリスマスの夢』、カラい諷刺が隠し味の『王様の耳はロバの耳』、チェコのアニメのチャップリンが活躍する『プロコウク氏』、そして晩年の愛の賛歌の長編アニメ『クラバート』に『ホンジークとマジェンカ』と、アニメ史に残した足跡もまた非凡な人。
こんな人、ほかにはいなかった!
まだゼマンに出会っていなかったあなた、昔っからファンだったよというあなた、テレビの時代よりはるかに早く、大画面のために作られたゼマンの驚きの世界を、大画面で楽しみに来ませんか!
ぜひぜひ遊びに来て下さいませ!!
[戻る]