Tellmemore!!#CAFEWEEKSPECIAL〜プチシネセレクション〜
「世界のYOJIKURIが贈るアヴァンギャルドな短篇アニメ!!」
今回のTellmemore!!は、NHK「ひょっこりひょうたん島」のオープニング、日本テレビ「11PM」でアニメを担当し、海外でも評価の高い、久里洋二のアヴァンギャルドな短篇アニメ7作品をお届けします。
久里洋二の創り出したアニメーションは、ディズニーに代表される子供向ストーリーのフルアニメーションに対してのアンチテーゼとして、大人向でシンプルで個性的な絵を自由な発想で超リミテッドに(この動かなさは何だろう!しかし間は絶妙!!)発表。全てがユニークで、全く新しいジャンルを造りだした。
上映会場
○福岡 前原デパートメント
4/10(土).4/24(土)両日19:30
○福岡:CAFESONES
4/11(日)14:00/17:00/20:00/22:00
4/12(月)20:00/22:00
○高知:Si-rutu
4/11(日)19:30/22:00
○福岡/赤間:e.g.
4/12(月)21:00
4/25(日)21:00
○北九州:cafeSOAP
4/14(水)20:00
○松山:QoonieCAFE
4/18(日)19:00/23:00
○福岡:プルミエカフェ
4/18(日)16:30/18:30
○岡山:サウダーヂな夜
4/18(日)19:00
4/21(水)21:00
○北九州:CLUTCH
4/20(火)21:00
○長崎:エスパス
4/26(月)4/27(火)両日21:00
○熊本:イクイップメントフロア
5月上旬
上映作品厳選7作品
「二匹のサンマ(カラー版)」(1968)/13min
カラー化に加え、一部キャラクターや設定などを変更したリメイク作品。占領してくる集団がどこかイスラムっぽい姿をしていたり、機械から妻や家を生産させてたりしているところなどが加えられています。ラストで二人がもとのイカダ生活に戻っているあたりも注目すべきところでしょう。谷川俊太郎氏の詩のかわりに佐良直美の「世界は二人のために」が流れています。
「窓」(1965)/6min
窓からはじまる物語。光の具合がとても素敵作品。
「椅子」(1964)/10min
椅子しかない部屋にただ15分座ってもらい、人間がどんな行動にでるかを記録した実験映画。女子学生、警察官、お坊さん、ウェイターといった一般の人だけでなく、岡本太郎や谷川俊太郎、永六輔などといったノーギャラの有名人も多数参加しています。気のせいか、有名人であればあるほど奇怪な行動にでているのが笑えます。何やってんだか・・
「ケメ子のLOVE」(1968)/3min
「ぼくとケメ子の休日は♪お手手つないでハイキング♪大きなおむすび10個持ち♪ケメ子が八つに、ぼく二つ♪ 好き!好き!だけどケメ子が大好き♪ラララ〜ララララ〜♪」・・・THEGIANTSというGSのデビュー曲「ケメ子の唄」を元にアニメーションをつけたクリップ的な作品。とにかくカエルキャラなケメ子の無表情っぽさとしつこさがカワイイ。そしてなによりポップな仕上がりがとてもお気に入りです。コンセプト的にはかなり「愛」に近いけども、印象としてはこっちのほうがつきぬけた楽しさがあってイイですね。なんど観てもしあわせな気分に浸れます。
「隣の野郎」(1965)/9min
男が部屋で寝ていると、なにやら隣の部屋から奇怪な音が聞こえてくる。気になってあれこれと策をこうじるも一向に鳴り止む気配がない・・得体のしれない隣人の行為の不思議さを描いた作品。たとえ家ごと引っ越しても、隣人というものはいつも得体が知れないものなんですね。
「漫画」(1977)/7min
大阪万博博覧会に出展された3面スクリーンの作品を再構成したもの。山のてっぺんに小さな鳥がいると思っていると、近寄るとそれが実は大きい鳥で、あっという間に食われてしまうおはなしや、太陽で編んだセーターをプレゼントして男を焼殺してしまう女のおはなしなど、ナンセンスなエピソードをいくつか組み合わせた作品になっています。なぜかタイトルにでてくる緑の足が「殺人狂時代」とかぶっていますが、いったいなんなんでしょうか。
「殺人狂時代(オリジナル版)」(1965)/13min
自害する三島由紀夫(?)のお腹からお金が出てきちゃう「遊国」、助けを呼んだ船に轢かれてしまう「無人島」、イタリアにきてピサの斜塔につぶされちゃう「観光」などなど、十数話からなる様々な殺人の様子を描いたシリーズ短篇。各話の終りにつく標語がまた思いっきしネタかましていて笑えます。飛び降りをした男が落ちている最中にやっぱり助かりたいと電話をかけると、やってきた救急車が下でトゲを突き出して男を串刺しにしてしまうエピソードがあるのですが、ラストでさりげなく「紀文のおでん」とかテロップが入るんですね。そのあっさりとした残酷さがたまりませんですよ。
久里洋二
画家、漫画家、イラストレータとして活躍しながら、アニメーションを芸術表現としてとらえ、数々のア二メ作品を製作、発表。海外の映画祭にも多数出品し受賞するなど、高い評価を得ている。
1962年「人間動物園」でヴェネチア映画祭青銅賞を受賞した他、数々の作品で海外の映画賞を受賞しているアニメーション作家・久里洋二。'64年から18年間に渡り、NTV「11PM」内においてアニメを発表し続けたことでも知られている。彼が'60年代に生み出したアニメ作品は、当時のアート・シーンの一端を担うと共に、後の日本のアニメ界にも多大な影響を与えた。
NHK「ひょっこりひょうたん島」のオープニング、日本テレビ「11PM」でアニメを担当。二科展特選、文芸春秋漫画賞受賞。ヴェネチィア、フランス、シカゴ映画祭等でグランプリ等を受賞。1992年紫綬褒章受賞。
音楽センスも人一倍優れていて、ジャズ、クラッシック、邦楽、歌謡曲から現代音楽まで、あらゆる音を駆使して作品に生かす名人でもあった。
全くの個人で作るからアニメーションの手法も恐ろしいほどリミテッドだし、線もシンプルならアクションもひたすらシンプルで突き通す。しかしながら、こなれたデザイン性とカットや動きをつなぐ絶妙なテンポはまさに天才的で、そのシンプルさがかえって作品をシュールなものにしている。
ぜひぜひ遊びに来てください。
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